COLUMNコラム

被せ物の適合性を格段に上げる歯肉圧排処置とは?


ヒトの歯はとても複雑な形をしています。この世に1本たりとも、全く同じ歯は存在しないといえます。それだけに、被せものを作製する過程では、型取りをどれだけ精密に行うかが治療を成功させる鍵ともなるのです。ここでは、被せものを作る過程で、どのように歯の型取りを行うのか、その際に重要となる歯肉圧排という処置について少し詳しくご紹介したいと思います。とても地味な話ではありますが、被せものの寿命とも関わる大事な点といえます。

精密な歯型を作ることの重要性

被せものは、金属やセラミックなどいろいろな素材で作られます。虫歯になった部分を削って綺麗にしたのち、歯の形をしたクラウンをすっぽりと被せるような流れになります。

そのプロセスを患者さんから見ると、歯の形をしたクラウンを作製するのが最も大変な作業に思えるかもしれません。けれども実際は、クラウンの鋳型となる歯の模型を作ることの方がある意味重要であり、大変な作業といえるのです。

なぜなら、精密な歯の模型を作ることができれば、あとは技工の匠である技工士がその模型を使用して素晴らしいクラウンを作り上げてくれるからです。しかし鋳型である歯の模型が不正確であれば、いくら技工士の腕が良くて、素晴らしいクラウンを作ったとしても、それは患者様の実際の歯にぴったり合うことはありません。

歯と歯茎の境界部分が最重要

クラウンのような被せものは、特に前歯を中心として審美領域においては、クラウンのつなぎ目を歯茎のラインよりも下の方に設定します。そうしないとクラウンのつなぎ目のラインが黒い線となって自然感が無くなります。

また奥歯のような銀歯の場合でも、つなぎ目を歯茎の下に設定することで2次齲蝕(つなぎ目からの虫歯の再発)を低減することができます。

ですから、型取りの際には歯茎の縁のところを歯根面から少しだけ離すことが必要になります。

そうしないと、歯根の大事なつなぎ目のところが歯茎に隠れてしまい、正確な型取りができないのです。この歯茎の縁を歯根面から少しだけ離す作業がつぎに説明する、歯肉圧排ということになります。

歯肉圧排について

歯の型取りを行う際、より精密な情報を得るために歯肉圧排という処置が施されます。圧排糸と呼ばれる糸を、歯と歯茎の間の歯肉溝と言われる溝の中に入れていきます。

圧排糸には、いろんな太さのものが用意されていて、歯肉溝の深さや歯肉の厚みを考慮して最適なサイズのものを選択します。圧排糸を5分程おいた後に、圧排糸を外すと歯茎の縁が歯根面から離れていて、その隙間に印象材を流し込んで型取りします。

 

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圧排糸が入った状態です。

 

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シリコンで型取りした印象です。これに石膏を流し込んで模型を作ります。

 

適合性の高い被せ物は虫歯・歯周病を予防する

歯と歯茎の境界部は、もともと歯垢や歯石がたまりやすいです。適合性の低い被せものを作ってしまうと、その傾向がさらに強まることとなります。その結果、虫歯や歯周病を誘発し、被せものが脱落することにつながるのです。

ですから、精密な歯型をとって、適合性の高い被せものを作ることは、虫歯や歯周病を予防することにもなるのです。同時に、被せものの寿命も長くなります。患者さんにとっては少し不快な処置かもしれませんが、歯肉圧排には沢山のメリットがあることを知っておいてください。

 

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このようにつなぎ目がはっきり出た模型が良いクラウンを作る条件です。

 

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正面の向かって右側がクラウンです。このように、フィット(適合)の良いクラウンにより、虫歯や歯周病も予防することが出来ます。


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